苦しみから抜け出す唯一の方法は「闘うな」です。「したい」と願った自分と、それを「出来ない」と判断した自分との闘い。「変わりたい」或いは「変えたい」という自分と、「変われない」という自分との闘いです。
相手は常に「自分」です。「できない」と主張する自分に勝てば、確かに願望は実現するでしょう。しかし、自分に勝つこと無理ではありませんがほぼ不可能です。なぜなら「できない」と主張する自分を、「できる」と納得させるための根拠を示さなければならないからです。
僕らは「できない」を「できる」に変えることが願望を実現する唯一の方法だと信じ続けていました。確かにそれも一つの方法だし、「できる」に変われば願望は実現する可能性が高いのは確かです。しかし、同時にこの方法は非常に骨が折れるし、キリがないのです。
自分と闘うと勝たなければならなくなります。「できない自分」を捩じ伏せ、「できる自分」を優勢にしなければならなくなるのです。なぜそこまで頑固に「できない」と主張するのかはわかりませんが、とにかく「できない」と主張する自分は極めて強敵です。あっさりと「できる」に寝返ることはまずありません。
何かと難癖をつけて「まだできない」と主張してくる自分を説得するのは至難の技で、よほどの根拠がない限り納得しないと思った方がいいでしょう。だから「闘わない」という選択肢を選ぶのです。最初から「できない自分」の土俵に上がらなければいいのです。
しかしこれは、多くの人にとって誤解を招くでしょう。土俵に上がらないということは「できる自分」の不戦敗となるからです。勝つのは結局「できない自分」であり、できないままで終わるのではないかというわけです。この「闘わなければ不戦敗になる」という部分の解除が肝です。
あなたは現実という自分以外の動向とも闘っているし、自分自身とも闘っています。自分と自分以外を引っ括めてあなたの人生ですが、あなたは人生に疲れたり傷付いたりするでしょう。それはあなたが人生と闘っている証拠です。闘わなければ疲れないし傷付かないのに、あなたは人生という目に見えない敵と闘ってしまっているのです。


