あなたの現在は過去と未来からは割り出せない(1/4)|vol.131

願望実現

登山において、地図とコンパスがあれば現在地を割り出すことができるクロスベアリング法という手法があります。詳細な説明は省きますが、そこから見える山の頂上など、目印となるニ点の方位角を把握することで大まかな現在地がわかるのです。二点の延長線が交差する点から現在地を知るわけですが、これと同じことが人生の現在地を知ろうとするときに行われています。

クロスベアリング法と同様に、人生の現在地を知るときにもある二点が目印となります。人生の現在地を知るために用いられる目印は過去と未来のニ点です。僕らは一見すると、自分がどのような状況に置かれているかをGPSのようにリアルタイムの座標として把握しているように感じますが、実際には過去と未来という2点から把握しているのです。

自分の現状という現在地は、緯度と経度のような正確なデータで即座に把握しているわけではなく、過去と未来という二点を自分で観測して割り出すというなんともアナログ的な手法によって決まっているのです。

それは例えばこんな具合です。まず「今朝あの人に挨拶を無視された」という出来事があったとしましょう。既に起こったあとですからこれは過去ということになります。そして「明日もあの人に挨拶を無視されるかもしれない」という未来を予測します。この二点が現在地を割り出す目標物となるのです。そこで割り出される現在地は「私はあの人に嫌われているかもしれない」といったものになります。

ところが、人生の現在地を把握するクロスベアリング法には致命的な欠陥があります。そもそも山中における実際のクロスベアリング法でも二点を観測しただけでは誤差が発生するのですが、人生のクロスベアリング法では更に誤差が大きくなるのです。なぜなら、過去と未来という二点が安定していないからです。

山頂などの動かない二点を観測したとしても多少の誤差が発生するのに、過去と未来などという如何様にも解釈できる不安定な二点を基準にしては、正確に現在地を把握することなど不可能なのです。あなたが今いる地点は、あなたが過去と未来から割り出した想像とは違う地点なのです。

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