【物の見方】価値観ってなんだろう?価値観について知っておきたいこと【復刻記事】

復刻記事

※この記事は旧サイトに掲載していた記事の復刻版です。

離婚や破局の理由でよく聞かれる「価値観の違い」。
別れの原因となるぐらいですから、人間関係において大切なのはわかる。
でも、なんだか漠然としていてピンとこない。
そんな価値観というものを、こんな風に捉えてみましょう。

価値観とは「その人が大切にしていること」

価値観をわかりやすく言うと「その人が大切にしていること」です。
その人が何を優先してどのような視点で物事を捉えているか、一言で表現するなら信念やポリシーと言い換えることも出来ます。
そして、その捉え方によってどのように物事を決めているか。
それは、どんな基準で生きているかということに繋がっていきます。

あなたは何を優先していますか?
自分が優先、家族が優先、健康が優先、お金が優先、仕事が優先、娯楽が優先…。
何を優先するかで、選択の場面でどう行動するかが自然と決まっていきます。

例えば、家族や仕事を優先する人が娯楽を優先する友人に「2人で旅行に行こう」と誘われたとしましょう。
家族を優先する人は「友人と旅行に行く時間があるなら家族と行こう」と考えるでしょうし、仕事を優先する人は「仕事があるから休みが取れないし行けないな」と考えるでしょう。

優先順位が上のものほど大切にしているものということになります。
あなたの価値観はどんな優先順位になっていますか?

価値観が生き方の方向性を決めている

家族を置いて友人と2人で旅行に「行く」か「行かない」か。
その行動を「する」か「しない」か。
どちらかを選ばなければならないとき、そこには人それぞれの価値観による判断が行われています。

どう行動するか。
言い換えれば、そのときにそれを「する」か「しない」かが人生のページを作り上げていきます。
ですから価値観は「どう生きるか」という方向性を決めているものともいえます。

全く同じ価値観の人は存在しない

有名人のそっくりさんはいるけれど、よく見ればやっぱり違う。
双子のように瓜二つの赤の他人に出会うことは、ネット上で「奇跡」として話題になるほど確率の低いことです。
そして、双子のように瓜二つと言っても、ミクロの単位で見ればやっぱり違う。
ミクロ単位で全く同じ顔をした人は双子にすら存在しないのです。

全く同じ顔をした人は存在しないように、全く同じ価値観を持った人もまた存在しません。
価値観を「心の顔」と考えればわかりやすいでしょう。
この人の価値観は自分と似ているなぁと感じることはあっても、やっぱりどこか違う。
人の顔がそれぞれ違うように「心の顔」である価値観がそれぞれ違うのは当たり前のことです。

誰もがその人にとっての”正しい価値観”で生きている

人は誰でも自分の価値観が正しいと信じて生きています。
だから、あなたの考えを否定されると反射的に「相手が間違っている!」と反応してしまいます。

なぜなら、あなたの考えにはあなたの価値観が反映されているからです。

けれど、その相手もまた自分の価値観こそが正しいと信じて生きています。
価値観のズレは、相手の価値観との違いを受け入れられないから起こることです。

ある人にとっては「これで十分だろう」と思うことが、受け取る側にとっては「物足りない」と感じたり。

逆に「やって当然」と思ってしたことが、受け取る側にとっては「すごく親切」と感じたり。
そんなつもりはないのに、「どうしてそんなに冷たくするの?」なんてこともあるでしょうし、同じ営業マンでも人によって「熱心」と受け取られたり「しつこい」と受け取られたりもします。

価値観に正解なんてない

世の中に「美しい顔」は存在しますが、「正しい顔」や「間違った顔」は存在しません。
そんなこと誰にも判断できないからです。
同じように「美しい価値観」は存在したとしても、「正しい価値観」や「間違った価値観」は存在しません。
それもまた誰にも判断できないからです。

例えばあなたが誰かにプレゼントを渡したとしましょう。
そのとき相手のリアクションが思っていたより薄くて、あなたはガッカリしてしまいました。
さて、どちらに非があるのでしょうか?

あなたに期待外れのリアクションしか返せなかった、相手の価値観が間違っているのでしょうか。
相手に過剰な期待をして勝手に怒っている、あなたの価値観が間違っているのでしょうか。

あなたの価値観も、相手の価値観も間違っていません。
価値観に優劣や善悪をつけることは誰にもできないのですから、どちらの価値観が正しいか、あるいは間違っているかを感情を介入させて決めようとすること自体が間違いなのです。

あなたの行動や言動に対して相手がどう反応するかは、あなたには選べません。
ですから、「そのような反応が返ってきた」という事実だけを感情的にならずに、なるべくフラットな気持ちで受け止めればいいのです。

「違っている」と「間違っている」は別物

価値観に「正しい」と「間違っている」はありません。
だから、あなたはどれだけ他人の価値観と違っていても、自分の価値観に自信を持っていいのです。

価値観の違いは「単に違うだけ」です。
決して「間違い」ではありません。

金子みすずさんの詩「私と小鳥と鈴と」の一節より。
“みんなちがって、みんないい”
とても素敵な言葉ですね。

価値観を比べることに意味はない

赤が好きな人と、青が好きな人。
どちらの価値観が優れていますか?
価値観を比べることは、それぐらい意味の無いことです。

価値観を比べたり、競わせたりしなくなると、「どうせ」や「どうして」が格段に減っていきますし、人と比べない生き方にも繋がっていきます。

逆説的になりますが、他人の価値観に「なぜ?」を追求し始めるとキリがなくなります。

なぜああいう態度を取るのか、なぜああいう言動をするのか、なぜ、なぜ、と考え続けるのはやめましょう。
シンプルに「そういうものだから」とか「あの人はこういう反応を返してきたぞ」と単なる事実として受け取るだけで、随分と楽になりますよ。

最後に昭和の時代のテレビアニメ「ムーミン」のキャラクター、スナフキンの名言をご紹介します。

「人と違った考えを持つことは一向にかまわないさ。でも、その考えを無理やり他の人に押し付けてはいけないなあ。その人にはその人なりの考えがあるからね。」

タイトルとURLをコピーしました