できないというブレーキ(1/4)|vol.100

願望実現

仮にあなたがお金持ちなら、お金持ちになりたいという願望は持ちません。そしてもし現状ではお金持ちでないとしても、お金持ちになれることがわかっていれば願望とはなりません。お金持ちでもなく、お金持ちになれないと思っているときに限り願望となります。

こうして考えると、願望とは「なりたい」という希望に溢れたポジティブな状態というより、「なれない」という困難さを伴ったネガティブなものと言えそうです。実際、願望を持っているときというのは辛く感じることの方が多いのではないでしょうか。

願望は希望に満ちているというより、「どうすれば」「どうしたら」「難しい」「無理だ」「想像もつかない」と頭の中がグルグルして、混乱と困難さが渦巻く状態といえます。願望を持つことそのものが、不快の原因となることはよくあるのです。

できるかできないか、なれるかなれないか、それはあなたのコントロール外であることは前話「可能性の議論をやめる」の中で述べました。そう言われたときにあなたはどんな気分になったでしょうか。それによってあなたが「できる」と「できない」どちらの側に立っているかがわかります。

「できるかできないかわからない」に対して、「それでは困る」「できないと嫌だ」という思考が発生して不快な気分になったのなら、あなたは「できない」側に立っています。一方、「できないと決めつけることはできない」「不可能というわけではないかもしれない」という思考が発生して気分が良くなったのなら、あなたは「できる」側に立っています。

実は「できない」「なれない」と白黒はっきり決めつけるよりも、「できるかどうかわからない」という曖昧な状態の方が遥かに前向きなのです。そこで「できるとわからなければ嫌だ」と言ってしまうと、「できない」の側へ付いてしまうことになります。

「できるかできないかわからない」は、どちらとも断言していませんから、どちらの可能性も否定していません。それを「できると確信できなければ嫌だ」と突っぱねるのは、「できない」と決めつけているから出てくる言葉です。

解釈をもっと柔らかくすればいいのです。強固な「できない」をほぐしていきましょう。「できない」よりも「できてもできなくてもいい」の方が可能性が広いことを知るべきなのです。その方が、最初からできないと決めつけるより遥かに良い状態です。その精神は、必ずあなたの可能性を広げてくれるでしょう。

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