当たり前の話なのですが、あなたの願望はまだ叶っていません。叶っている、可能だ、できる、そう思っていることは既に叶っているか、叶っていなくても当たり前にできることだから願望とはならないのです。例えば、水を飲むということは現時点では叶っていなくても、当たり前にできることがわかっているので願望とは呼ばないでしょう。
現時点で叶っているものは願望ではありません。これが願望が願望たる最低条件です。それに加えて、当たり前にできることは願望とは言いません。これをまとめると、願望とは叶っていないことであり、尚且つ叶えることができないと認識していることを指します。
人は「そうなれていなくて、これからもそうなれない」と思っている状態を願望と認識しています。具体例で表現してみましょう。「お金持ちになれていなくて、これからもお金持ちになれないと思っている」。この状態には、夢や希望というニュアンスが含まれていないので意外な感じがするかもしれませんが、これが願望を持っている状態なのです。
願望は総じて、できない、不可能、なれない、と認識していることであるというのがわかるでしょう。できていなくて、これからもできないと思っていること。そうなれていなくて、これからもそうなれないと思っていること。願望を持っている状態を言葉で表現するとそういうことになります。
夢や願望を持つことは前向きでポジティブな印象を受けますが、なんともネガティブな状態であることがわかるでしょう。願いがなかなか叶わず悶々とするのも無理はありません。願望を叶えるには、できていないという認識を変えるか、これからもできないという認識を変えるかです。
その認識が変わりさえすればいいので、どんな手法であっても構わないのですが、その認識を変える一つの方法が「できるできない」の判断をやめることなのです。一般的に夢を実現するには、可能性を高め、不可能を排除するのが良しとされがちですが、可能性の議論自体をやめてしまうのです。


