「これがしたい」という思いに応えるために生まれるのが願望ですが、願望に対して「できるかできないか」の判断基準を使うと実現が遠のきます。そこで新しい判断基準を「したいかしたくないか」に設定します。現実にできるかできないかではなく、現実にしたいかしたくないかで考えるのです。
そもそも、できるかできないかの判断は自分にはできません。願望が実現するか否かは「わからない」というのが正直なところでしょう。それを事前に判断できるのは神の領域であって人間の領域ではないのです。一方、したいかしたくないかの判断は神の領域ではなく人間の領域です。神の領域と人間の領域を混同しないことです。
人間に判断できるのは、それをしようとしたときに「したいかしたくないか」。もっと絞って言うならば、それをしようとしたときに「気分がいいか悪いか」です。前述の通り、それをしようとしたときに「できるかできないか」の判断は人間には無理ですから、したいかしたくないかだけを決めて、あとは神に委ねるのが得策です。
人生に改善したいことがあるとき、「できるかできないか」を基準に判断すると気が滅入ることの方が多いのです。なぜなら、大半の場合は「できない」という判断になるからです。「できる」のなら、とっくに改善されているはずですから当然といえば当然です。
あなたの悩みがどのくらい長く思い煩っているものなのかはわかりませんが、それが一向に改善されない現実が続いてきたのなら、「できない」という判断を起こすのは仕方のないことです。けれど、「できない」はあなたが決めることではありません。
人間にわかるはずがないのに、勝手に判断して勝手に落ち込む必要はありません。一方で、「できるできない」は自分には決められないということの裏を返せば、自分には実現する力はないということでもあります。
これは、あなたが無能だからではないし欠陥があるからでもありません。そもそも人間には何かを叶えるという能力が備わっていないのです。ですから、あなたはしたいかしたくないかだけを伝えればいいし、そうするより他ないのです。子どもたちがサンタさんにお願いするのと同じようにです。
クリスマス間近の子どもたちの姿勢は大いに参考になるでしょう。子どもたちはサンタさんに欲しいプレゼントを純粋にお願いします。子どもたちは大人と違って叶うか叶わないかということをいちいち分析したりはしないのです。


