この世を天国とするか地獄とするかは、思考を取捨選択する際の基準が深く関わってきます。あなたはただ苦しくない選択をすべきです。だから、どう転んでも苦しくならない基準で判断するといいのです。
例えば「出来る出来ない」を基準にした場合、「出来ない」にイエスがついたときに自分の能力にケチをつけなければならなくなります。「真か偽か」を基準にすると、「偽」だったときに「そんなにうまくいくはずないよな」とガッカリしなければならなくなります。
どちらに転んでも苦しくない基準の一つが、先ほどの「役に立つか立たないか」なのです。他にも「気分がいいか悪いか」「必要か必要でないか」という基準もあります。よく言われる「視点を変える」というのは、思考の取捨選択の基準を変えることとも言えるでしょう。
どんな思考を選択するかによって人生は様変わりします。人生とはいわば思考と認識の塊だからです。もしあなたの人生が重苦しいなら、思考を取捨選択する基準を変えてみてください。
多くの人が真実か虚実か、可能か不可能かという判断基準しか使わないまま生きています。他の判断基準を使ってもいいにも関わらずです。しかし、現実を判断するのは自分一人です。よってあなたの判断は誰に咎められるようなものではありません。あなたはもっと自由な判断を下していいのです。
白か黒か決着をつけたがるのが思考の癖ですが、人生や世界がそんなにくっきりと色分けされるはずがないのです。青空だってグラデーションです。もっと曖昧でいいのです。成功か失敗か、幸せか不幸せか、裕福か困窮か、全てはくっきりと色分けされてなどいません。
ここからこっちは幸せ、ここからあっちは不幸せといったラインをあなたは見たことがあるでしょうか。どのような生活、或いはいくらの預金があれば裕福で、いくら以下なら困窮なのか。明確に答えられるでしょうか。これでわかるでしょう。判断の明確な基準など最初から存在していないのです。
この世の全てはグラデーションなのです。夜明けも日没も突然スイッチが切れるように明るさが変わるのではなく、徐々に明るく、徐々に暗くなっていくでしょう。明確に「それ」と決める明確な基準は存在しません。不幸せから幸せになることは国境を越えるようなものではなく、グラデーションの濃淡なのです。


