本質とイメージの相違(1/4)|vol.44

願望実現

僕らはなんのために願望を実現したいのかというと、結局は悩みを解決するためです。「そのこと」に対する願望を実現する。つまりは外側を変化させることによって「そのこと」に対する印象を変えたいというのが願望を実現させたい動機となります。

「そのこと」が嫌な気分にならない形に変化すれば悩みは消えるでしょう。願望を実現したいのは、外側が変化することによって内側を変化させ悩みを消すことが目的なのです。そういった意味では、願望の実現と悩みの解消は同じものといえるでしょう。正確には悩みを解消する手段が願望を実現することといえます。

内側と外側というものを定義付けておきましょう。まず外側とは何でしょう。あなたが見聞きしているもの、それを外側と定義付けておきます。現実とか、世界とか、あなたにとってしっくりくる言い方で構いません。これらは形があり、見聞きすることができます。もう一つの分かりやすい定義としては、自分以外という見方でもいいでしょう。

次に内側の定義なのですが、これは文字通りあなたの中にあるもの、思考や感情といった形のないものです。シンプルに分類すれば、自分は内側であり、自分以外は外側です。形のあるものが外側で、形のないものが内側となります。

願望を持っているときというのは、外側に対して悩みを抱えているときです。外側にある「それ」のことを考えると不快になること、それが悩みの定義です。悩みはもちろん内側で起こっていることですが、悩みを抱える切っ掛けは外側にあります。外側にあるものを見聞きした結果、不快さを感じた内側がそれを悩みと認識したのです。

外側によって内側が不快になった。そこで、内側の不快を解消するために外側を変えようとすること、これが願望です。願望が実現すれば内側は不快を解消して、心地よい気分で外側を見ることができるだろうというわけです。これが大半の人が知らず知らずのうちに抱いているロジックなのですが、ずいぶんと回りくどい方法だと思わないでしょうか。

不快を感じているのはあくまでも内側なのですが、その不快を解消するために外側を変化させ、外側が変化することによって内側を変化させる。つまり、内側が変化するためには外側の変化が必須だという主張なのですが、外側の変化を待たずに単純に内側を変えればいいだけなのではないかと思わないでしょうか。その方がシンプルだし手っ取り早いでしょう。

「そのこと」について悩みがあるかないかは、「そのこと」を考えたときに嫌な気分か否かが判断材料となるわけですから、悩みは内側で起こっている上に、その悩みが解消されたかどうかを判断するのもまた内側だということになります。

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