悩みは外部の変化が起こることにより内部の変化が起こって解決するという、いわば二段構えとなってしまっています。それを二段構えではなく、最初から内部を変化させることで解決しようというのがこの話の主題です。
悩みは解決には外部の変化が必要だというのが大半の意見でしょう。だから人間は理想を思い描くし、それを目指そうとします。そもそもなぜ嫌な気分になるのかというと、「そのこと」があなたにとって理想的ではないからです。
だから嫌な気分になるし、理想の形に変えようとしたり、変化を願ったりするのです。「理想的ではない」を排除して嫌な気分を感じなくするためには、外部の変化が必要となる根拠です。
裏を返してみましょう。内部的な変化によって「そのこと」に嫌な気分を感じなくなったとします。ここで出てくるのが、外部の変化がないのに、内部の変化だけで解決した気になっても空しいだけではないかというエゴの反論です。
分かりやすい例を挙げてみましょう。例えばあなたがお金に困っているとして、内部的にお金持ちになったとします。エゴからしてみれば、お金持ちになったつもりになっているだけで実際には貧乏なままだとしか見えないでしょう。
果たしてそれは本当に内部的に変わっただけなのでしょうか。内部的に「そのこと」は問題なしと太鼓判を押されているだけで実際には解決していないのでしょうか。
解決の概念は「そのこと」を思い浮かべたときに嫌な気分にならないことですから、外部的な変化があろうがなかろうが、嫌な気分を感じなければあなたの勝ちです。
「気分だけそうなっても空しい」それもまた嫌な気分を発生させる思考ではないでしょうか。ならばそれも捨ててしまうといいのです。「気分だけそうなっても空しい」という考えごと捨ててしまいます。
嫌な気分を感じなくするとはそういうことです。嫌な気分を捨てて捨てて、最後に残るのはなんでしょうか。そこに嫌な気分は残っているでしょうか。嫌な気分が残っていないのなら、それは問題解決ではないのでしょうか。