気分が悪くなる思考なら、どんな内容であれ「これは自分のためにならない考えだ」と認めていきます。ムカデが出ても、クモが出ても「嫌な虫が出た。これは掴みたくない」という一括りに認識していくイメージです。単に「虫が出た。掴みたくない」です。「この虫はムカデだ。てんとう虫なら許せるがムカデは許せない。なんとか仕返ししてやろう」。その後半部分が不要なのです。
その内容を問わず、嫌な気分になる考えは片っ端から「嫌な考えだ。これは掴まない」。それを徹底してみてください。実際のところ、自分の気分が悪くなる考えほど、自分にとっての重大時であると思い込んでいるだけで、内容など大した問題ではないのです。
人によって不快になるポイントが違うことは、あなたも経験上わかるでしょう。どのような思考によって不快になるか、そしてそれがどれくらいの強さかは人によって異なります。怒っている他人を見て「そんなことぐらいで」と感じたことがあなたにもあるでしょう。あなたにとってはさして不快ではない思考も、その人にとっては強烈に不快であることもあるのです。
実は思考の内容はどうでもいいのです。あなたが望まなくても、どうせ勝手に湧いてくる頭の中の虫です。どんな虫が湧いたのかではなく、嫌な虫が湧いたことに敏感になることです。内容などあってないようなものなのです。
思考の内容よりも、あなたがその思考によってどんな気分になるかが重要なのです。あなたの気分を害しているのは、その思考そのものです。思考の内容に触れる必要はありません。シンプルに「嫌な思考がある」と認識すれば良いでしょう。
内容に触れると、そこからまた更に気分を害す思考へと発展していきます。つい「あいつがあんな態度を取ったから」とか「どうしてこんな仕打ちを受けなければならないんだ」などと、内容の方に意識が向いてしまいますが、意識を向けるのは内容ではなく気持ちの方です。細々とした思考のディテールなどどうでもいいので、ひとまとめに「気分を害す思考だ」としてしまいます。
あなたにとって役に立たない考え、要するに気分を害す思考は内容を問わず全て排除すればいいのです。嫌な気分になったら、内容を吟味せず焼却炉に放り込んで構いません。自分を不快にさせている思考にしがみついてはならないのです。「この悔しさを忘れずに」なんてどうでもいいことです。捨てる勇気を持つこともまた大事なことです。