その対象が好きか嫌いかの判断は、単純にあなたにとって快か不快かなのですが、ここで疑問が生じる人もあるかもしれません。恋い焦がれているけれど、うまくいっていない相手がいるケースではどうなのかということです。
答えを先に言うと、あなたはその相手のことが嫌いです。だからうまくいっていないのです。しかし、嫌いというには語弊があります。不快だといった方がいいでしょう。
恋い焦がれている相手に不快感を感じるはずがないと、あなたは反論するかもしれませんが、相手に対して快を感じているのであれば、そもそもうまくいっているはずなのです。なかなか振り向いてくれない。なかなか思い通りにならない。
そうした「この先どう展開していくのかわからない」という不安や寂しさは、あなたにとって心地よい感情でしょうか。それとも不快な感情でしょうか。たとえ恋い焦がれている相手でも不快な感情を感じることもあるというのが理解できるのではないでしょうか。
嫌いなものとの関係はうまくいきません。お金のことがうまくいっていないなら、あなたはお金が嫌いだし、その人との関係がうまくいっていないなら、あなたはその人のことが嫌いです。では、人生をうまくいかせるには何を好きになればいいのでしょう?
経済的なことでうまくいきたいなら、お金を好きになるといいのです。お金に対する嫌な感じを排除していきます。仕事のことでうまくいきたいなら、仕事を好きになればいいのです。仕事に対する嫌な感じを排除していきます。なんだか道徳の授業のようですが、これは好きになったものはうまくいくという原則を利用しています。
さて、ここで取って置きのレシピを贈りましょう。あなた自身が、あなたの人生が、うまくいくようにするには何を好きになればいいでしょうか。好きになったものはうまくいくのですから、答えはもうわかったのはないでしょうか。あなたが自分を好きになれば、あなた自身がうまくいくということなのです。
あなたが「どんな自分」を好きになるかで、何に信憑性を持たせるのか、何の信憑性を剥がすのかが変わってきます。そんな自分になるにはどうすればいいかを考える前に、「そんな自分」をまず好きになってください。
恋をするときには、まずその人のことをどうしようもなく好きになってから、その後どうなりたいのか、そのためにはどうすればいいのかということを考えるでしょう。
それと同じで、「幸せな自分」になりたいのなら、「どうすればなれるのか」を考える前に「幸せな自分」にまず惚れ込むことです。「好きになったものとはうまくいく」という法則に則って、「幸せな自分」との関係がうまくいくようになっていきます。