その考えは益か害か(3/4)|vol.18

願望実現

思考は頭の中でラジオのように絶え間なくおしゃべりを続けているでしょう。そのうちのどんな話題に耳を傾けるかなのです。何に対して「おっ?」と興味を示すかなのです。わざわざ聞きたくもない話題に周波数を合わせなくてもいいではありませんか。その放送局はきっと、あなたの揚げ足を取ったり、批判したりするような番組ばかり垂れ流しているのではないでしょうか。

妄想というラジオ放送で流れている内容は全てフェイクですが、あなたが採用したものはその瞬間に現実として扱われます。けれどそれは元々自分の意思とは関係なく浮かんできたものです。思考は必ずしも事実を語っていないということに気付かなければなりません。

何かの折に触れて思考がポッと浮かびます。何か意味があって浮かんできたわけではなく、単に浮かんだだけです。その時点では、思考は何の効力も持っていません。その思考に何か意味を与えているのは自分なのです。自分の思考に絶対の真実があるわけではなく、事実とするか虚偽とするかは、その後のあなたの選択次第です。あなたが「それが事実だ」とすれば事実となるし、「それは空想だ」とすれば事実とはなりません。

浮かぶ思考を闇雲に全面採用することをやめることです。無条件に何もかも信じてしまっては、思考の信者となってしまうでしょう。毎日、無数の思考が浮かんでは消えていきます。どれを掴み、どれを掴まないのか、どれを採用し、どれを無視するのか、思考ごとに取捨選択してみてください。それは意図的でもわざとらしくても構いません。

「いい考え」「悪い考え」といったものは存在しません。どんな考えが浮かんだとしても、それは文字通り浮かんだのであって、あなたが考え出したわけではないのですから、全ての思考はあなたに責任はないのです。それがどんな思考であっても自分を責める必要はありません。

自然発生したものに良いとか悪いとか判断しても仕方がないのです。繰り返しになりますが悪い考え、例えば意地悪な考えだったり、人としてどうかと思うような考えが浮かんだとしても、それは単にあなたがキャッチしただけであって、あなたが考え出したものではありません。「私はなんて性格が悪いんだろう」などと自己嫌悪に陥る必要はないのです。あなたは性格が悪いわけでも、人間性に欠陥があるわけでもありません。

タイトルとURLをコピーしました