自分と世界の境界線(2/4)|vol.13

願望実現

自分とはただの殻のようなものです。自分と自分以外の境界線は卵の殻のようなものなのです。なぜなら、自分の外側は自分の内側にあり、自分の内側は自分の外側であるからです。その殻が強固なものである、自分と自分以外は明らかに異なるものであるという感覚をもたらしているのがエゴです。エゴとは「自分を認識する機能」のことをいいます。

自分を卵だと思ってください。殻があり、殻の中には黄身と白身が詰まっています。殻の外側は外の世界です。殻はちょうど内側と外側を隔てているでしょう。普段感じている「自分」というのはどこにいるのかというと、「自分」というのは内側と外側を隔てている殻なのです。この殻の部分のことを自分と認識しています。それはごく薄いあなたの輪郭です。

自分が殻だけのはずがない。卵が黄身と白身という中身を内包しているように、自分も骨格や内臓を内包しているではないかと思うでしょう。確かに物質として存在しているものは、境界線という性質を持っています。しかし「思考」「感情」「認識」といった目に見えない、物質ではないものには境界線がないのです。

自分の殻に閉じこもる。自分の殻を破るという言い回しがあります。誰が言い出したのかはわかりませんが、なかなか言い得て妙な表現です。自分は正に殻そのものなのです。

以前に例えに出した写真の話を覚えているでしょうか。自分と自分以外に境界線を引いたあの写真です。あなたは正にその境界線なのです。境界線の内側が自分、境界線の外側が自分以外なのではありません。ペンでなぞられたその境界線そのものが自分です。

もう一度、自分が写った写真を見てください。背景はなんでも構わないし、今度は境界線は引きません。その写真はあなたの目にどう映るでしょうか。あなたはわざわざ写真に境界線を引かなくても自動的に自分と自分以外を区別することでしょう。

つまり、境界線はわざわざ引く必要がないのです。それこそ自分と自分以外の関係性です。自分と自分以外に境界線は必要ないし、そもそも存在しないのです。写真の表面を撫でてみてください。自分と自分以外に境界線はあるでしょうか。

写真に写っているもののうち、自分の部分だけ盛り上がっているということはないでしょう。写真の表面はフラットです。写真に凹凸はないというのは、もちろんものの例えです。しかし、同時に自分と自分以外の関係性を正確に表してもいます。自分と自分以外はフラットであり境界線は存在しないというのが正しい見方なのです。

タイトルとURLをコピーしました