※この記事は旧サイトに掲載されていた記事の復刻版です。
「現実を無視する」の真意
「現実を無視する」
願望実現において、誤解を招きやすい表現の一つです。
今までの現実、そして今の現実、それらは願望実現には関係がないので無視しましょうというニュアンスで捉えられている方が多いのではないでしょうか。
その捉え方でも間違いではないのですが、ほんの僅かなニュアンスの違いで思わぬ遠回りをしてしまいかねせん。
なぜなら現実を無視するというのは、むしろ現実を正しく見るということであって、現実から目を逸らすことではないからです。現実から目を逸らすのは単なる現実逃避であって「現実を無視する」とは違います。
今まで当たり前と思っていた現実の見方が本当に正しいのかどうかを見極めて、誤った現実を見ていたことに気付きましょう。そして誤った現実は無視しましょうというのが「現実を無視する」の真意です。
今回の記事のタイトルである「原因の領域」から「結果の領域」へのシフトです。
願望を叶えたいあなたは、願望が叶わない原因を探ったり、願望が叶う理由を追究したりするでしょう。
「どうして叶わないんだろう?」とか「どうすれば叶うんだろう?」と考えるのは、あなたが「原因の領域」から世界を見ているからです。
ここには「自己評価」というキーワードが深く関わっています。人は「こんな自分だったらいいのに」という理想の自分の姿から、今はどのあたりの位置にいるかの評価を自分で下しています。
理想の自分とはどんなものでしょう。
例えば男性であれば、俳優さんのようにカッコよくて、お笑い芸人さんのように喋りが上手くて、歌手のように歌が上手くて…。女性の場合も同様に、モデルさんのようにスタイルが良くて、アイドルのように可愛くて、他人が憧れるほどセンスが良くて…。
他にも、誰からも尊敬されるほど仕事ができて、収入が高くてなんていうのもあるでしょうし、身近な人と比べて「あの人のように気さくだったら」とか「あの人のように積極的だったら」というのもあるかもしれません。
では、そんな理想の自分になったらあなたは何を手にするのでしょう?
「愛されるに違いない」「幸せに違いない」
本当にそうでしょうか?
極端なことを言うと、あなたがイケメンになろうと絶世の美女になろうと、恋人ができるかどうかということには関係がありません。
願望実現の仕組みは「〇〇だから叶う」とか「〇〇だから叶わない」という風にはできていないのです。これが「どんな自分であっても叶えていい」に繋がっていきます。
あなたは自分でどんな自己評価を下していようとも願望を叶えて構いません。
あなたの願望実現を妨げているのは、「私は〇〇だから願望は叶わない」という制限だけです。その制限が取り払われれば願望は叶うと信じて、「今の自分とはまるで別人のような理想の自分」を求めているうちは逆に願望実現が遠ざかっていきます。
「原因の領域」から世界を見ると、願望が叶わない理由がいくらでも見つかります。それは容姿に関することかもしれないし、性格に関することかもしれないし、能力に関することかもしれません。
「卵が先か鶏が先か」のような話になるんですが、「叶わない原因があると信じているから叶わない」ということに気付かなければなりません。
あなたの容姿がどうであろうと、性格がどうであろうと、、能力がどうであろうと、そこに「問題がある」だとか「だから叶わない」と認定することをやめれば願望などいくらでも実現します。
現実は自己評価に従って展開している
あなたの現実は、あなたの自己評価通りに展開しています。
その証拠に「私は〇〇な人間だ」という自己評価を証明する現象ばかりが起きているでしょう。そうするとあなたは「ほらやっぱりね」と自己評価を更に強固なものにしていきます。
例えば「私は人見知りだから異性にモテない」と自己評価していればその通りになるし、「私は仕事ができないから収入が低い」と自己評価していればその通りになります。
ここに大きな気付きを得てください。今回の記事の核心です。
“その現象が起きたから、自己評価がそうなったのではありません。自己評価がそうだから、その現象が起こるんです”
あなたの身に「私は人に愛されていない」と認識してしまうような現象が起こったとします。あなたはそれを受けて「やっぱり私は人に愛されていない」と自己評価します。
「卵が先か鶏が先か」です。順番が逆だったんです。
「私は人に愛されていない」と自己評価しているから、「私は人に愛されていない」と認識されるような現象が起こったというのが真実です。
自己評価とはつまり「その現象が起こる原因」です。「私はこういう人間だから」という自己評価に沿った現象が起こりますから、自己評価を自分に都合のいいように変えてあげれば良いということになります。
聞いたことがあるでしょう。
「自分を無条件で愛す」とか「完璧だ」と言うとか。
自愛によってどんな自分でも愛すということは、自己評価を「無条件で愛される私」に変えてしまうことですし、「完璧だ」という認定は「叶わない原因は存在しない」に変えてしまうことです。
今回の記事のもう一つの核心は、「叶わない自分を叶えている自分がいる」ということです。
自己評価通りの現象を展開させている自分がいることに気付くこと。裏を返せば現象など自己評価次第でどうにでもなるということ。
あなたは今のあなたのまま1ミリたりとも変わる必要はありません。あなたが変えるべきは視点を1ミリ変えてあげることだけです。
「原因の領域」から「結果の領域」へ
「叶わない私」の視点から「叶えている私」の視点に変えていきましょう。
今回の記事のタイトルにしましたが、「叶わない私」とは「原因の領域から世界を見ている私」です。この領域から世界を見ると、願望を実現するにあたって満たしていない条件がいくつもあるように感じるでしょう。
前述しましたが、願望を叶えるための容姿、性格、能力などが自分には不足しているという見方になります。
こうした「叶わない原因」が自分に備わっていると思い込んで、それを解消していこう、解消すれば叶うはずだという思考をするのがこの領域です。
例えば「イケメンになれば彼女ができる」といったような思考です。
「彼女ができる」という結果に対して、「イケメンになれば」という条件が付されているのがわかるでしょう。
裏を返せば「イケメンじゃないから彼女ができない」と言っているのと同じです。
では「叶えている私」の視点はどうでしょうか。「叶えている私」とは「結果の領域から世界を見ている私」です。この領域から世界を見ると「叶わない原因」はありません。ただ結果だけがあります。
先ほどの「イケメンになれば彼女ができる」という思考で例えれば、前半部分の「イケメンになれば」という条件がなく、結果である「彼女ができる」だけが存在します。
「イケメンになれば彼女ができる」
ここには「イケメンじゃないから彼女ができない」という原因そのものが存在しません。叶わない原因が存在しませんから叶っていて当たり前となります。
そこで多くの方が疑問に思うであろうことは、「理屈はなんとなくわかったけど、そうするにはどうすればいい?」ということでしょう。
そのためには、今回の記事の冒頭で述べた「現実から目を逸らさずに、現実を正しく見る」をしてみるということです。今ここで何が起こっているのか、またはどんな自己評価を自分に下しているのかをしっかりと見ることです。
そのまま言葉にして問いかけてみます。
「今ここでは何が起こっているだろう?」
「今ここで何が起こっているかをしっかりと見てみよう」
もっとシンプルに「いま何が起こってる?」だけでも良いです。
普段あなたの思考は過去へ未来へ飛んでいます。
過去の経験から学び、理想の未来を創るにはどうすればいいかということに大半の時間を費やしています。
思考するということ自体が、過去や未来に飛ぶことと思って差し支えありません。「今ここ」で過去や未来について思考を飛ばすことを止めると、あなたはただ「今ここに自分は在る」だけだということに気付きます。要するに「そのような現実は起こってなどいない」ということです。
思考を止めることが難しいと感じる方は、もう一つのアプローチである「自己評価の修正」を行っていきます。
これもシンプルな問いかけを自分にしてみることから始めます。
「私の願望が叶わないのはどうしてだろう?」
「私の欠点はなんだろうか?」
普段あなたが自分に下している自己評価は、願望が叶わない理由とイコールです。
「私は〇〇だから叶わない」というわけですから、その「叶わない原因」をあぶり出します。
いくつか願望が叶わない原因が出てくるかもしれませんし、特に何も浮かんでこないかもしれません。
面白いことに、何も原因が浮かんでこない場合は「叶わない理由がわからない」とか「どうすれば叶うのかわからない」と考えていること自体が叶わない原因になっていることがほとんどです。
「結果の領域」から世界を見ると、それがどんなものであれ叶わない原因は存在しません。
あなたは最初から「結果の領域」にいます。あなたが今見ている世界は、あなたの自己評価に従ってありとあらゆるものが叶っています。
例えばあなたが「人間関係はまあまあだけど、金銭的には恵まれていない」と自己評価しているなら「叶っている私」がその自己評価を忠実に現象化します。
このシンプルな願望実現の仕組みを採用することが、視点の変更であり認識の変更です。
大胆に許可してください。
「私は愛されて当たり前。大切にされて当たり前。そうならない理由がない」と。
全ての物事に原因はなく、ただ結果だけがあります。
「そうなる原因」も「そうならない原因」もありません。ただ「そうなっている」です。
結果を創り出そうと頑張らないでください。既にそうなっています。
あなたがそう自己評価する限り。